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独自にテストしている陶芸の釉薬に関するデータを投稿

ドロマイトとタルクでの原料の差

同じ成分を持つ原料 アルカリ、アルカリ土類に入る塩基性の成分としてK(カリウム)、Na(ナトリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)などがあるが、一つの原料が持つ成分は多様な成分を保有している。例えば純粋にマグ…

曜変天目についての概要

曜変天目とは 曜変天目をつくるというと、陶芸のロマンを追いつつも業界的には天目作家それぞれに曜変天目論があってそれは排他的で否定的な印象が私個人としては感じるところがあります。中国の建窯でとれる曜変天目の再現を試みるということでは、その土地…

0.3KNaO天目釉の比較(石灰系:石灰タルク系)

これまでの実験 石灰系、石灰タルク系と比較するテストのモデルとして「陶磁器釉の科学」(高嶋廣夫 著)の天目釉薬の記述を参考に実験していました。実際の釉調の変化をここで比較してみます。 アルミナ(低)、シリカ(低)の比較 どちらも還元焼成 石灰系0.35Al…

石灰系天目釉薬(0.5KNaO)

アルカリの増加に伴うアルミナ、シリカの範囲 前回に引き続き、アルカリの操作を実施。KNaOを0.5にすることで、さらに融点が低くなるテストです。原料として長石を利用しているので、長石でアルカリ分を確保すると自然とアルミナとシリカの最低値は高くなる…

石灰系天目釉薬(0.4KNaO)

アルカリの操作について アルカリとは原子の周期表で1族にある元素のことです。陶芸で使う原料でアルカリを含むものは多々あります。基本の原料として長石を選ぶのはシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)を主成分で含みつつ、少量のアルカリ分(K2OやNa2O)を含むの…

石灰タルク系天目釉(0.3KNaO)

タルクについて タルクはマグネシア(MgO)を多く含む珪酸塩鉱物です。陶芸で釉薬の溶剤として使用する鼠石灰はCaOを多く含むが、MgOを摂取しようとしたらタルク、ドロマイトを使用する。タルクは溶剤であるが、アルカリが0.5KNaO程度でないと乳濁した表情にな…

石灰系天目釉薬(0.3KNaO)

はじめに 石灰系天目釉薬ということで今回はテストの内容を紹介していきます。石灰系とはゼーゲル式において、溶剤を石灰=CaOで摂取していく系統ということです。今後、MgOを多く含むマグネサイト系、タルク系 、CaOとMgOをバランスよく含むドロマイト系とい…

天目釉薬のテストに向けて

序文 釉薬を研究する上で鉄の変化を観察するのはどこかでやっていきたいと思っていたりはしたのですが、なかなか普段の制作に気をとられてしまい、釉薬を主眼に制作をすることができていませんでした。陶芸作品を売って生計を立てることが現実的には上手くい…

陶芸の釉薬研究について

序文 陶芸を始めたのが、高校生のときなので足掛け15年以上の陶芸及び美術に接しながら過ごしてきました。最初は出来合いの釉薬をかけて作品をつくっていましたが、大学に入って陶芸の根本を学習していく中で、原料から釉薬をつくることに興味を持ち始めまし…