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独自にテストしている陶芸の釉薬に関するデータを投稿

陶芸の釉薬研究について

序文

 陶芸を始めたのが、高校生のときなので足掛け15年以上の陶芸及び美術に接しながら過ごしてきました。最初は出来合いの釉薬をかけて作品をつくっていましたが、大学に入って陶芸の根本を学習していく中で、原料から釉薬をつくることに興味を持ち始めました。最初はゼーゲル式など気にせず、三成分(3つの原料)の比から釉薬の表情を観察したり、原料そのものを焼いた表情を見て単純な釉薬作りをテストしていました。

 最初に興味を持ったのは鮫肌釉という鹿児島の龍門司窯でつくられたものでした。陶芸の本にモノクロで掲載していたものでそれのヒントになる原料も記載されていたのですが、なかなかに上手くいかず安定した表情が作れるようになったのはそれから3年ほど過ぎたあたりでした。原料の取扱のちょっとした差異や焼成温度の引っ張り方、テストピース自体の大きさでかなり釉薬の見え方は変化したものです。作品を作る上では土、釉薬、焼きの三要素にコンセプトを求めますが、未だしっくりとした表情は見つけられていません。昔はその土地土地で決められた原料を基に陶芸は作られていたのですが、現代の陶芸は全国の原料が自由に手に入り、海外から輸入することも選択できるようになりました。天然資源のため枯渇するものもありますが、新たに人工的に生成できるようになった素材もあるので、そういう意味では陶芸の素材の進化がこれからも続いていくように感じます。

 この陶芸ブログは個人的にテストしてきた釉薬のピースを紹介することをメインに始めようと思います。それらの記事が閲覧していただいた皆様に役に立つと嬉しいです。