0.3KNaO天目釉の比較(石灰系:石灰タルク系)
これまでの実験
石灰系、石灰タルク系と比較するテストのモデルとして「陶磁器釉の科学」(高嶋廣夫 著)の天目釉薬の記述を参考に実験していました。実際の釉調の変化をここで比較してみます。
アルミナ(低)、シリカ(低)の比較
どちらも還元焼成
下地は茶飴色の発色。マグネシア分が乳濁作用をおこしているため、不透明になっている。厚みが出てきた部分から薄い層に変化するとき黄色い発色をともなう。
アルミナ(低)、シリカ(高)の比較
どちらも還元焼成
シリカが多くなると、黒い発色が強くなったように感じる。石灰系よりもタルク系の方が、乳濁する。珪酸質マット。
アルミナ(高)、シリカ(低)の比較
どちらも還元焼成
アルミナが多くなったときにも、黒い発色が強くなったように感じる。アルミナ質マットのため、艶は弱い。石灰系よりもタルク系の方が、乳濁するが、黄色い発色はアルミナが増加することで抑えられている。石灰系のほうが赤みを感じる。
アルミナ(高)、シリカ(高)の比較
どちらも還元焼成
アルミナ•シリカが共に多くなると、黒い発色が強くなったように感じる。石灰系は赤みも増す。石灰系よりもタルク系は黒く艶がある。油滴の班を微妙に感じる。油滴を思わせるには釉薬の高温時の粘り気が足りない。